2014年6月13日金曜日

たとえひと目でも・・・太鼓曲輪&殿の道の石垣♪ ~八王子城オフその3~

なんとか詰めの城の大堀切まで行きついたものの、いよいよ「もうそれ以上奥に進むのは無理!」な雲行きになってしまい、「勇気ある撤退」をはじめた八王子散策オフの一行でしたが、詰めの城から下り始めたところで空からポツリポツリ・・・

雨だぁ~!

あわてて登り石垣の尾根を駆け下り、駒冷やしの大堀切をスルーして、雨宿りのできる本丸直下の東屋まで急ぎ足でGO!


が、不思議なことに、上を見上げるとかなり雨が降っているのが見えるにも関わらず、体に当たる雨はほとんどなくて、結局雨具は必要なし。

木々の中を通る道だったので、しっかり雨がさえぎられていたんですね。助かりました~☆

東屋について昼食をとっているうちににわか雨の通り過ぎ、いっそう蒸し暑くなってきたものの空は晴れてきて、時折ほほをなでる心地よい風~♪

このまま御主殿曲輪のある居館地区までもどってもよかったんですが、「せっかく本丸まで戻ってきたから、先ほど本丸に来たときに行かなかった小宮曲輪に行ってみるか」という西股先生とサイガさんについて、八王子神社脇の細道を登っていきました。




縄張り図の④のところまで来て、西股先生が「ここに小さくテラス状の平地が書いてあるだろう。ここがおそらく小宮曲輪の虎口になってるはずなんだ。」とおっしゃって、いきなり道から斜面の藪の中にごそごそ!

続いてサイガさん、tantanさんもごそごそ!私もあわてて後に続きましたが、この日最大の藪こぎでありました。

なんたって、写真の藪のど真ん中に西股先生とサイガさんが映っているんですが、わかりますか~?(笑)

そして、この藪こぎの成果は・・・先生方によれば「テラスと土塁様の地形はわかったけれど、虎口かどうかはっきりとはわからなかった。ただし抵抗なく登れる斜面になっているので、ここが通路であったとしてもおかしくはなさそう。」とのこと。

いやいや~、藪を通り抜けるのに必死で「抵抗なく」なんてよくわかりませんでした~☆
これはまた、藪の薄くなる冬に再確認の必要あり、かな。。。



小宮曲輪まであがったら、お宮(?)の前にいる珍しい親子の狛犬をみて、ちゃんとハイキングコースになっている現在の曲輪の出入り口からもとの東屋方面へ降ります。

縄張り図の青丸が書いてある部分がその小宮曲輪からの出入り口なんですが、図でもわかるとおり変な形に出っ張っています。

これは、現地で見るとさきほどの「虎口があるはず」だというテラスのある藪をちょうど真正面に見下ろす「横矢がけ」になっています。

現地では「なるほど~!」という感じに見えたのですが、写真に撮ってみると・・・うーん、ただの藪でまったく判らない!

なので、これもやっぱり藪の薄くなる冬に再確認の必要あり、ですね(笑)




さて、小宮曲輪をごそごそ歩き回った?後、当初予定では大雨のあとで足元もぬかるんでるだろうし、午後から荒れる天気という予想だったので、これで本日の行程終了!ということだったのですが・・・

時計を確認すると時間がたっぷり余っていて、しかも1日歩いてみて、思った以上に足元は乾いていて大丈夫だし、天候もすっかり回復しちゃってる。

これは急げば太鼓曲輪に行けちゃうんじゃないの~?


というわけで、さっさと要害地区から金子曲輪経由でビジターセンターまで一気に駆け下りて、深沢川を南側へ渡り、縄張り図の⑧へ。

この⑧には大手門跡があります。
昭和64年(1988年)の発掘調査で礎石や敷石などが出てきたことから「薬医門」形式の門があったのではないかといわれていますが、現在は埋め戻されちゃっていてよくわかりません。

この⑧の場所は土塁が明確で、門があったという土塁の切れ目から外側を見ると、どう見ても地形が枡形様になっています。

おそらくこの枡形の中に石段が埋もれていて、降りた先で川を渡っていたのではないかと明確に想像で来ちゃうような形です。

わくわく(笑)



⑧の場所からは御主殿曲輪に大手道(古道)が続いていて、曳橋を渡って御主殿曲輪に入るはず(それにそって橋や石垣の整備などもされている)なのですが、この記事現在、曳橋は無期限通行止めなので、大手道も行き止まりになってしまっています。

大手道の小さな橋の脇から細い山道を上がっていった尾根上に展開しているのが太鼓曲輪です。


曲輪、といっても尾根にざくざくと切れ込ませた堀切群といったほうがわかりやすいかもです。

尾根に上がって、まずは「片堀切」。
上方から見ると切岸にしか見えないのですが、下に降りて振り返ると、左右の縦堀が目に入って「あ、堀切?」「もしかして土橋?」という気になります



そして、第1堀切。いつ来ても気持ちよく切れています(笑)
堀底の西股先生とサイガさん。こんなに小さく見えるということは、堀の深さはどれだけでしょう!



第一堀切には石積みがみられます(⑨の場所)。

このあたりの地形を見ると、尾根から堀切に降りる道のようになっていて、途中階段様に積まれた石もみられることから、どうもこの場所には虎口があって、写真の石積みは虎口を固めるものだったのではないかと思われます。

また、虎口を少し降りたところから堀切の反対側に木橋をかけていたのではないか、という感じでもあるようです。




今回は時間もあまりないということで第1~第3堀切までしか見ませんでしたが、やっぱりいつみてもこのざっくり感はたまりませんね~☆

朝、八王子城散策を始めたときには太鼓曲輪まで来れないだろうと思っていたので、ホントひとめだけでも?来れてよかったです♪

それにしてもこの太鼓曲輪の位置には、なぜ詰めの城周辺のような防衛線を置かずに尾根にざくざく切込みを入れたんでしょうね・・・?不思議です。


そして、「時間がない」といいながらもこれだけはひと目だけでも!ということで太鼓曲輪のあとにやってきたがここ。



はい、殿の道にある4段の石垣群です~!
やっぱ、八王子城に来たらここには来たいですね♪御主殿曲輪からも近いし・・・




別記事でご紹介した柵門台下の石垣同様、高さ2mごとのセットバックがはっきりしています。

でも、よくみてください。柵門台下の石段と比べると・・・



石垣の顎石の下に隙間ができてしまってる!

実は八王子城のあたりの土質は非常に崩れやすいこともあって、別記事でも紹介しましたが元は八王子城の縄張りをぐるりと取り巻いていたであろう石垣も、崩壊してしまって石がごろごろしているばかり・・・という状況です。

ここも風雨に流されるだけでなく、人が通ることによって削れていることもあるかもしれません。
自分もがさがさ歩き回っているのになんですが、柵門台下の石垣同様しっかりと整備・保護して後世に残していたけることを切に願っています。


で、最後におまけ。

いつもはちょろちょろとしか流れてなくて「八王子城落城時に、こんなところで本当に身投げしたのか?」とギモンに思えるほどの御主殿の滝。

この数日、近来まれに見る大雨の日々が続いたせいか、この水量!

 

すばらしい滝となって流れておりました。
そばに寄ると、マイナスイオンが心地よい~♪






これで、今回の八王子オフ全行程終了!
御主殿滝や八王子城のマンホールを堪能しながら、八王子の町に出ていつもの通り乾杯です。

そして、この八王子城散策はまだ第1日目。次の日は今度は滝山城めぐりです。
引き続き、がんばってまいりましょ~☆