さて、この夏は結構猛暑がきつかったんですが、この日もご他聞にもれず暑かったもんで、いかに山の木陰を歩いていたといっても結構水分不足気味。
とりあえず二の丸で小休止して水分補給いたしましょう・・・
ということでやってきた二の丸。
ここには東屋があって、城跡の整備をしているらしい作業員さんたちや地元の方とみられる方々が談笑していました。
聞くと地元の方だそうで、毎日のように二の丸にやってきているので、なんとなくボランティアみたいに案内もしているのだそうです。
その地元のおじさんが四方山話の中で聞くともなく教えてくれたのが、「三の丸の下で高さ3~4mくらいの石垣が発掘されたんだよ」という話。
さすがのサイガ先生もよくはご存じなかったようなので、さっそく行ってみることに。。。
二の丸から奥の木立へ入っていくと、縄張り図には名称が載っていないんですが、そこが三の丸。
道なりに腰曲輪らしき場所を通りながらいくつかの段差を下がっていくと、その段差のところに横に長く伸びていく石積みが・・・
東屋であったおじさんが言ってたのは、これかぁ~!
でもぱっと見、高させいぜい2mくらい?
おじさんの話や石垣そばの表示を総合するに、残り1~2mはどうやら地中に埋め戻したらしいです。
そう思って石垣下の地面を見ると・・・青いビニールシートが埋まったりしてるし(笑)
また石垣にもどって・・・石垣をよく見ると使われている石の大きさが極端に違っています。
サイガ先生によると、この大きい石は「鏡石」ではないかということです。
このような「鏡石」と呼ぶ大きな石は多くの城に存在するようで、大きな石を見せつけて来る人に威圧感を与えるために、藩主の住む御殿への通路に置かれ権力の象徴とされたようです。
確かに、今回は行かなかったのですが、この石垣の道をそのまま下っていくと、鍛冶廓を抜けて白川河原に面した白川口埋門に出るようです。
だとすると、ここが正面玄関?で、三の丸→二の丸→本丸、とルートが一本つながっていくのは自然な気がします。
一方で、そうなると蔵屋敷や通仲廓がルートからはずれたどん詰まりになってしまって、よくわからない構造に受けとれてしまいます・・・
しかしながら、前回「その1」でご紹介した「橋の跡」の場所に橋がかかっていたならば、この石垣から三の丸→蔵屋敷→通仲廓→御前曲輪→本丸、というルートもありだなぁ・・・と妙に納得したりして(^^;)
時間も遅くなってきたので、この石垣から引き返してまた二の丸へ。
実は二の丸に沿って「大堀切」が掘られているんですが、これがまた、めちゃくちゃ大きくて、しかも二の丸方向から三の丸脇や石垣の道の脇をとおって白川口埋門方向に彫り下がっていっている!
その「大堀切」、これまた先ほどのおじさんによれば、今は埋まってしまってよくわからなくなっているけれども、下に向かって段状になっているらしいとのこと。
上からのぞいてみただけではわからなかったのですが、縄張り図でも段状に高低差があるように描かれているので、実際に堀切の底に下りて踏査したら、段が確認できるのかもしれません。
もしくは堀障子の可能性も・・・? ワクワク☆
二の丸から今度は南方向に向かうと・・・大堀切を横切って渡る立派な土橋!
土橋を渡ると廓馬出とよばれる曲輪。
二の丸に付随しているような角馬出といったスタイルですが、馬出にしては結構広いスペースで、大堀切を駆け上ってくる敵がいれば二の丸・三の丸とともに挟撃できるようなポジションにあります。
また、この曲輪から見て二の丸と反対側の「木俣」という曲輪方面から敵が攻めてきても、堀を挟んで防衛線を敷ける場所と思われます。
なんたって、この土橋がすごくしっかり遺構が残っていて、思わず一同目にしたとたんに口をそろえて、「かっこいい~!」
それぞれ何度も土橋の上を行ったりきたりして、妄想を膨らましていたのでした(・・・って、それは私だけかも?)
写真は廓馬出から二の丸方面に土橋を渡っていくサイガ先生に「土橋!」ポーズをとってもらったところ(笑)
みどころ満載の箕輪城。主要部だけでしたが、半日かけてゆっくりじっくり、楽しく堪能できました。
で、二の丸から車を停めてある搦手方面にみんなで歩いていたところ・・・
後ろから例の二の丸東屋であったおじさんが追いかけてきました。
実は二の丸東屋で休憩していたときに縄張り図を見ながら搦手口の空堀の話をしていたのですが、わざわざその場所を教えに来てくれたんです。
で、ついでに御前曲輪の井戸の秘密・・・なぜ深さが20mなのか?についても持論を教えてくれたんです。
それは・・・御前曲輪と搦手口外の標高差が20m、この城外のあたりは榛名山の伏流水が豊富に湧き出ていた場所らしい、ということ。
なので、外堀や城外は水が防御になっていた可能性もあるらしい・・・
ちょこっと聞いただけで裏づけ等調べてはいないのですが、地元の方ならではの情報だな~という感じでした。うん。
それにしてもあの廓馬出の土橋、萌えたなぁ~♪
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